4月9日|長野県飯山市
物置の整理中、60代男性がクマに噛まれ重傷。同じ個体が住宅内部に侵入し、90代男性と60代女性にも負傷を負わせた。県警と猟友会が捕獲を試みています。
4月22日|群馬県片品村(尾瀬国立公園)
バックカントリースキー中の男性がクマに覆いかぶさられて負傷。回復には約1週間を要しました。
5月3日|長野県軽井沢町・追分
山菜採り中の方がクマに襲われ負傷。同地区では、6月3日にも散策中の方が負傷する事例が発生しています。
5月15日|新潟県南魚沼市
60代男性が顔や腕などに負傷。「出没警戒注意報」が発表されました。
6月4日|新潟県長岡市(栃尾地域)
クマの出没に伴う人身被害があったことを市が公表しています。
6月26日~28日|山形空港(山形県)
小型のツキノワグマが空港の滑走路に出現し、空港関係者による追跡車両での追い出し作戦が行われました。その影響で12便が欠航。空港は夜まで閉鎖されましたが、クマは捕獲されず逃走中です。
7月4日|岩手県
81歳女性がツキノワグマに襲われて死亡しました。他にも青森県や奈良県でも高齢女性の被害報告があります。
7月12日|北海道・福島町
新聞配達員の50代男性、佐藤憲寿(Kenju Sato)さんがクマに襲われ死亡。熊は遺体を100ヤード(約90m)引きずったと報道されています。
7月15日以降|北海道・恵山(Mount Esan)
50代のハンターが行方不明に。クマが目撃された7月12日に近い場所で、血痕と猟銃が発見され、クマによる可能性が高いとされています。
この一連の事態を受け、北海道・福島町は**日本初の「ヒグマ非常事態宣言」**を発令し、警察・消防・猟友会による24時間体制での対応を開始しました。
8月12日|秋田県大館市長走(おおだてし・ながはし)
ツキノワグマによる人身事故が発生。今年は例年に比べて熊の出没が非常に多く、当局は注意喚起を行っています。
8月14日|北海道・知床(羅臼山)
26歳の登山者・圭介壮太さんがヒグマに襲われ死亡。友人の目撃証言によれば、壮太さんは熊に立ち向かったものの引きずり込まれ、その後現場から衣類や財布が発見され、翌日に遺体が発見されました。襲ったと思われる個体は捕獲され、DNA検査への送付が行われています。知床連山での熊による死亡事故は63年ぶりとのことです。
背景と傾向
- 環境省の報告によると、2024年度(2023年4月~2024年3月)のヒグマ・ツキノワグマによる人身被害は累計219件、うち死者6名と過去最多を記録しました。
- 目撃と接近頻度の増加に伴い、都市部でもクマとの遭遇による被害が散発しています。
- 気候変動による自然餌の減少、里山や過疎地域の人減少が、クマの行動範囲を広げ、人間との接触を増やしている要因とされています。
- 行政による対応強化として、非常事態宣言、新法による緊急射撃措置の導入、猟友会や警察への対応拡大などが進められています。